この度、東北地方太平洋沖地震で被災された皆様とそのご家族の方々には心より お見舞い申し上げます。被害に遭われた地域の皆様方の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
この度の原子力施設事故では、関東一帯でも放射線が検出され、放射線のレベルが通常の10倍あるいは100倍などといわれています。数字だけを聞くと、たいへん高い線量のように思われますが、福島第一原発から20~30km圏内等の避難・緊急時避難・計画的避難地域以外は健康に影響のないレベルと公表されています。
「健康に影響はないレベル」といわれましても、不安が拭いきれないのが心情です。そのため、放射線の防護に効果があるとされるヨウ素剤が話題になり、注意喚起が行われる事態にもなりました。
現時点では、放射線から身を守る薬がないため、人間本来の回復力や免疫力を高める漢方薬に期待が高まっています。最近、特に漢方薬や民間薬による放射線の防護や回復に関するお問合せが増えておりますので、学術雑誌等に報告された関連文献の要約をご参考までにご紹介いたします。
これらの報告はウコギ科の「薬用人参」及び「エゾウコギ」と「薬用人参」などが配合された漢方処方が主な報告ですが、動物実験の試験データであり、人体への効果などは科学的検証がされておりません、また民間薬のドクダミ(ジュヤク)の報告は個人の服用経験の報告である点などにご留意ください。
2011年4月19日
株式会社栃本天海堂
< 注意事項 >
本資料は、参考情報を提供することを目的としております。掲載内容の正確性を弊社が保証するものではありません。
また、掲載内容は掲載時点のものであり、変更されることがあります。 掲載内容に関しては、個人の判断と責任にてお願いします。
実験 番号 |
投与量 (mg) |
30日後生存率[%] | |
---|---|---|---|
対照群 | 投与群 | ||
1 | 1.0 | 33 (15) | 78 (15) |
2 | 4.0 | 27 (30) | 77 (30) |
3 | 4.0 | 32 (25) | 84 (25) |
カッコ内は用いた動物数をあらわす。
ニンジン
投与時期と効果においては、ニンジン抽出物5.0mgを、X線照射24時間前、2.5時間前、直後、2.5時間後、または24時間後に投与したところ、24時間前の30日後生存率がもっとも高く、2.5時間前がそれに続きました。直後と2.5時間後がほぼ同じで、24時間後の投与では効果は低下し、ニンジン抽出物を投与せず生理食塩水を投与した対照群との間に差は見られませんでした。
次に、投与時期をもっとさかのぼって、X線照射の5、3、2、1日前または直後に投与したところ、2日または1日前がもっとも有効で、5日または3日前の投与は無効でした。
実験 番号 |
投与量 (mg) |
30日後生存率[%] | |
---|---|---|---|
対照群 | 投与群 | ||
1 | 1.0 | 34 (35) | 84 (37) |
カッコ内は用いた動物数をあらわす。
エゾウコギ(シゴカ)
原子爆弾が投下された広島市の旧市内は、人を含め壊滅状態のため、医薬品はブドウ糖一本でも貴重であり、火傷に用いる油類、リバノール、マーキュロクロームなどの外は、包帯類もない状態でした。
それ故、野・山の一木一草、薬になるものなら何でもよいという状態で、薬を求める大衆の願望はまことに切実なものがあり、医師も患者を治したい心はあっても、なすすべもないという状態の中で行われた方法です。
そのため、殆ど医師に相談して行われたものではなく、アンダーグランドの医療であることをご留意ください。
ドクダミ
薬剤 | 30日後生存率[%] | |
---|---|---|
対照群 | 投与群 | |
十全大補湯 | 32.5 | 77.5 |
補中益気湯 | 32.5 | 60.0 |
補中益気湯
また、両薬剤投与群で14日以後に血小板数が増加する傾向が見られました。赤血球数は放射線照射後、6日目から減少して14~18日目には薬剤を投与せず、生理食塩水を投与した対照群で正常値の1/2以下である4.6×106/mm3に達したのち回復に向かいましたが、両薬剤投与群ではわずかな赤血球数の減少抑制および回復促進傾向を示しました。白血球数は放射線照射直後から減少し14日目から回復しましたが、減少抑制または回復促進に関しては、両薬剤は投与効果は認められませんでした。
薬剤 | 30日後生存率[%] | |
---|---|---|
対照群 | 投与群 | |
小柴胡湯 | 10 | 40 |
小柴胡湯